名前:小村 和久(コムラ カズヒサ)
役職:5351POUR LES HOMMES チーフブランドディレクター
担当業務:ブランドディレクション兼企画デザイン(主に布帛&カットソー担当)
Q. 社内での印象に残っているエピソードは?
パリ2回、東京2回、国内展示会4回という超過酷な年間スケジュールを楽しんでいたこと。
ヴィンテージモーターサイクルジャケットからインスパイアされたフーデットダウンジャケット。インナーの厚みによっても調整可能なダブルジッパー仕様のフロントファスナーで2WAYのシルエット調整が可能。フードは一体型でホールド力を保ち、立体的に自立するよう計算されています。
2024年に販売したリモンタダウンジャケットが予約注文でほぼ完売するという異例のヒットを受け、MDから『2025年ではそれを超える新企画を』との要望があり、取り組んだのが始まりです。ダウンジャケットにブランドらしさをどう表現するかを追究した結果、5351のDNAであるレザーライダースがデザインの原点になりました。
まず素材、今回は独自の表情にフォーカスするため、日本国内の素材をベースに、レザーのシボ感をエンボス加工で表現したテクニック素材を起用しました。遠目から見るとレザーの質感に非常に近い仕上がりをしています。本物の皮革を使用した場合は0.5mm厚が限界なので、ある意味ではレザーでは表現できない“薄さ・軽さ・耐久性”をテキスタイルで表現しています。
またデザイン自体は、シングルライダースのデザインからインスパイアされています。直線的なファスナーラインに対し、垂直に走るキルトラインがシックにデザインされています。機能ポケットがアシンメトリーに配置されており、フロントファスナーは2段階調整できる仕様でデザイン性を高めています。
※写真(左)は、小村さん私物のヴィンテージライダースジャケット。
ここ数年で急激な高騰が進むダウンジャケットの中で、5351は『クオリティーと価格帯』のバランスで新しい価値観を表現し、そしてそこにファンの皆さまも共感してくれていると感じています。
デザイン面としては、レザーという素材感とバイカーズジャケットというデザインに振り切った結果、独自性ある製品にたどり着くことが出来ました。
実は、ファスナーにYKKのMETALUXE(メタルックス)を起用しています。このファスナーは、エレガントで高級感のある金属調の外観を実現したファスナーで、金属の代わりに樹脂素材を使用することで軽量化を実現した特殊ファスナーです。
ライダースの様なソリッドなデザインにダウンジャケットらしい軽量化を図る工夫をしました。
ブラックに関しては本物のレザーダウンと見間違うスタッフも多く、レザー業者の方が展示会で見間違っていたというエピソードは非常に印象的でしたね。
未だ完成していない0.3mm厚のレザーダウンジャケットは以前から実現に向けて開発中です。また新しい素材や縫製テクニックは常に探索して、ブランドらしいデザインで表現したいと感じています。そういう意味としては、今シーズンの02510030014(シームレスパデッドフードブルゾン)は新しい提案だと思います。
ブランドとしては、トレンドに流されることなく、常に新しいデザインを発信し続けることを一番大切にしていますね。
いつもご愛用いただき本当にありがとうございます。
5351はブランド熱の高いお客さまが多く、私たちクリエーターの活力となっています。また今シーズンから復活した代官山旗艦店はファンの皆さまにもっと寄り添うサロンとして、新しい提案が出来たらと考えています。お越しいただいた際は是非ブランドについて熱く語り合えたらと思います。
※写真は、SPEAK FOR DAIKANYAMA店。
5351 POUR LES HOMMES、alfredoBANNISTERの両ブランドをメインに展開し、加えて親和性のあるブランドをPOP UP展開。
■店舗情報
〒150-0033
渋谷区猿楽町28-2
SPEAK FOR 2F
TEL: 070-6449-9798
営業時間: 12:00~19:00
定休日 月・火 /祝祭日営業