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NOV.2025

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北欧のヴィンテージの器を手に取ると、不思議と時間の流れがゆっくりとなる気がしています。誰かの暮らしの中を長く旅してきた器には、新品にはない穏やかな空気が宿っています。テーブルやソファでヴィンテージの器を手にしてみると、確かに感じられる “やわらかさ” があるからなのだと思います。まるで、遠く離れた北国の静けさが、そのまま器に染み込んでいるかのようなひとときを感じられる大切な休息時間。

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ARABIA
Valencia(バレンシア)

老若男女に人気のARABIA(アラビア)社のValencia(バレンシア)のシリーズ。アラビア社を代表するデザイナー、Ulla Procope(ウラ・プロコペ)が手がけたプレートやカップは、深い群青色と力強い手描きが生み出す唯一無二の存在感をまとっています。濃紺の釉薬の上に、熟練した職人が一点ずつ描いたストロークが重なり、花のようにも、光の輪のようにも見えるリズムをつくり出しています。
手描きならではの個体差がヴィンテージのバレンシアを特別なものへと押し上げています。重さや厚みのバランスがよく、盛り付ける料理や花を引き立て、暮らしにそっと寄り添う存在です。たっぷりの美味しいコーヒーを飲む時間は、たっぷりの休息時間になること間違いなしです。

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ARABIA
Flora(フローラ)

同じくアラビア社のFlora(フローラ)シリーズ。北欧ヴィンテージの中でも、フローラシリーズはとりわけ“自然の記憶”を感じさせてくれる器です。丁寧に描かれた植物のモチーフは、まるで森の中で見つけた押し花のように繊細で、北欧らしい静けさと温もりをまとっています。北国の短い夏に咲く草花の愛おしさをそのまま器に落とし込んだかのようなデザインは、眺めているだけで心がふっと緩みます。

フローラを語るうえで外せないのが、フォルムを手がけたUlla Procope(ウッラ・プロコペ)と、装飾を描いたEsteri Tomula(エステリ・トムラ)という、アラビア社を代表するデザイナーの組み合わせです。プロコペが生み出す端正で実用的なフォルムに、トムラの繊細で詩的な植物モチーフが重なることで、器は一気に息づき、暮らしに自然のリズムが運び込みこまれます。手に取るたびに、北欧の森の空気や、遠い誰かの穏やかな時間が、そっと重なってくるようです。

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Mug Cup

朝、少し厚みのある北欧のマグに温かいコーヒーを淹れる。陽の光を受けて、釉薬がほのかに光るのを眺めながらひと息つく休息時間。そんな何気ないひとコマでも、ヴィンテージの器なら不思議と心が落ち着いていきます。古いからこそ生まれる細かな貫入や、ほんの小さな擦れ傷も、まるで器が経てきた時間の証しであり、物語のしおりのように感じられます。

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Kaj Frank
(カイ・フランク)

Kaj Frank(カイ・フランク)のグラスや花器を手にすると、「余白の美しさ」という言葉が自然と浮かびます。フィンランドのモダンデザインを語るうえで欠かせない存在であり、“フィンランドデザインの良心”と呼ばれる彼が目指したのは、誰もが日常で使える、誠実で平等なデザインでした。
グラスは、手に取ると驚くほどの軽やかさとバランスの良さを感じます。ストレートなラインと透明度の高いガラスは、飲み物の色や光を素直に受け止め、毎日の一杯を静かに引き立てます。花器は生ける花そのものの美しさをまっすぐに受け止め、空間に自然なリズムを添えてくれます。たった一輪でも、さらりと絵になるのはカイ・フランクならではでしょう。

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Buyer's recommendation

北欧ヴィンテージの器を使った私の休息時間。あのカフェで食べたシナモンロールや、美味しかったカフェオレに想いを馳せて、この器はどんな人が使っていたのかなと考えています。お気に入りの器に、好きな飲み物を注ぐだけで十分なので、ぜひ探してみていただきたいです。